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カイロプラクティック治療とは? 整体とマッサージとの違いとカイロの基本を解説します。

更新日:2023年10月31日


カイロプラクティックとは、関節や筋肉にみられるアンバランスさを整え、その人がもっている回復力(自然治癒力)を高め、症状を含む体の全体的な働きを改善・向上させるのが目的の療法です。


日本では「ボキボキされて怖い、危ない施術法」のイメージをお持ちの方も少なくは無いと思います。しかし北米、豪州、英、仏、北欧、ニュージーランド、香港などの世界45ヵ国においてはヘルスケア医療の専門職として公に認められ、保険が適用されます。


また、スイスとデンマークでは大学医学部で教育され、補完医療ではなく現代医療として認知されています。


ここでは「海外で認知をされているカイロプラクティックがなぜ日本国内ではこれほどまで曖昧で不明瞭なのか?」を、カイロ自体のご説明と共に、他の類業種も合わせながらご説明していきます。



1.カイロプラクティックとは?

カイロプラクティックとは、約130年前の1895年にアメリカで生まれた手技療法で、海外ではその後に学問として発展し、専門大学が設立され、大学医学部で教育を受け国家資格として認められるまでになり、国によっては医療保険の適用も可能となりました。


カイロプラクティックは身体の構造(特に背骨)と機能(働き)に注目した専門医療です。カイロプラクティックの施術法は施術者によって様々ですが、主に脊椎(背骨)やその他の身体の場所を調整(矯正)することにより、ゆがみの矯正、痛みの軽減、機能改善、身体の自然治癒力を高めることを目的としています。(2014年厚生労働省


分かりにくい表現ではありますが、すなわち関節で構成される骨格のゆがみや、アンバランスさを手技などで矯正をすることで、損なわれている体の働きを取り戻し、その人がもっている自然治癒力(発熱をしても、元の体温に戻ろうとする働きもその一つ)を利用してより良い体のコンディションへ導くヘルスケア(保健医療)とされています。


また背骨に着目する大きな理由は、「脳から降りてきた神経の中枢(脊髄)が背骨に守られるため、その背骨に何らかの問題があると神経の働きを阻害する」という考えがあるために重要視しているという意味です。



2.カイロプラクティックの主な効果

世界カイロプラクティック連合(以下WFC)に所属する日本で唯一の団体、日本カイロプラクターズ協会(以下JAC)の見解によると、適応症として「腰痛、頭痛、むち打ち、肩こり、股関節や膝の痛みなど運動器疾患系にすぐれた効果を発揮する。」とされています。


また疲労回復、姿勢改善、自律神経失調、内臓の機能改善、ストレスの緩和、高齢者のケアへ日常の健康管理にも利用されています。


また「癌、出血しやすい病気、高熱の出る病気、伝染病など」は、肩こりや腰痛などを二次的に起こしうるものだとしても、これらは禁忌症になるため問診の段階で、少しでも疑いのある場合は早期に専門医療機関への紹介が必要とされています。


カイロプラクティックの臨床に携わって、15年以上経過する筆者の個人的な見解では、患者様の日頃の生活を改めるご協力が得られれば(例:運動量や休む時間を増やす、普段の体の使い方、食事など)頭痛や手足のしびれ、その他の表現しにくい症状などにも有効であると考えております。



3.カイロプラクティックと整体・整骨やマッサージとの違いとは?

海外においてカイロプラクティックは、国家資格や医療として認められている場所はあるものの、日本ではそのような位置づけではありません。


それは「カイロプラクティックを定義する法律がない」ためです。つまり日本では法制化がされていないことが、医療として認められている海外の国との大きな違いになります。


そのため、日本国内においてカイロと整体は、施術者の個々人の伝え方や、施術方法に大きく左右され、その施術を受けた患者さんは皆さん大きく異なる印象を持ってしまいます。


実際、筆者が以前に担当させて頂いたカイロプラクティックの施術経験がある患者様が「こちらのカイロは大きな水晶は使わないのですね」と感想を述べられたこともありました。

*海外で認められているカイロの施術方法の中には水晶を使うものは現在もありません。


よってカイロと整体の定義がない日本国内において、比較検討することは難しく、海外でヘルスケア医療として認められている、カイロプラクティックと比べてご説明をさせていただきました。


また日本においては、カイロよりも整体の名前の方が世間一般的に認知度が高いため、より多くの人にお店を知ってもらうために「整体・カイロプクティック」などと両方の名前を用いて宣伝や看板を出しているところも少なくありません。


このような状況が日本の消費者の混乱を招いていることは事実としてあると思います。


当院におきましても、患者様が治療院をインターネットの検索で見つけていただくことが多いため、また「カイロプラクティック」と表記をしてもこの「整体」というキーワードで検索をされる方が極端に低いことを考えると「整体」という言葉を併用することにしています。


そして実際にご来院いただいて、カイロと整体の違いにご興味のある患者様には、丁寧にそのご説明をさせていただくようにしております。


もし詳細の違いについてご興味のある方は、JACが2019年にまとめた筋骨格系(運動器) 医療業種の比較がとても分かりやすく表になっているので、ぜひご参考にしてみてください。

*この表のカイロプラクティックは、海外で医療として認められているカイロの説明なので、日本国内の認識とは異なる部分があります。


また整骨(接骨)やマッサージといわれるものは、日本国内においても国家資格(按摩点マッサージ師、柔道整復師)として位置づけれており、国内のカイロ、整体とは大きく異なります。


不明瞭な点が多い、カイロプラクティック、整体、整骨の違いを簡単にまとめましたので、こちらもご参考になさってください。施術の内容の違いは、お店や会社によってバラバラのため、あくまで一般論の違いの説明となります。予めご了承ください。



▼カイロプラクティック

・国内では国家資格ではない(国外では国家資格、学位、診断権も付帯する場合もある)

・健康保険使用不可(海外では使用できる国もある)

・自由に誰でも名乗れる


▼整体

・国内、国外共に国家資格ではない

・健康保険使用不可

・自由に誰でも名乗れる


▼整骨(正式名称は柔道整復師*接骨院で保険診療の術者として働くにはこの資格が必要)

・日本国内において国家資格

・怪我を負った部位への施術が必要な場合、健康保険使用可

・誰でも名乗れない

・柔道から生まれ骨折、捻挫、脱臼などの外傷を扱います


▼マッサージ(正式名称はあん摩・マッサージ師)

・日本国内において国家資格

・医師が必要と判断した場合のみ、健康保険使用可

・誰でも名乗れない(実際は無資格者が、マッサージという呼称を使って営業をしている)

・指圧は軟部組織、筋肉を対象にした母指指圧




4.「ボキボキならして痛そう…」の誤解

背骨や骨盤などの関節の矯正の際に、「ボキッ」というような音が鳴ることがります。しかしながら、適切な力加減とスピード、無理のない患者さんの体勢を術者が理解していれば、「痛い、危ない」ということはありません。


しかし、術者が適切なスキルを持ち合わせていないと「術後に不要な痛みや恐怖感」を味ってしまうかもしれません。


また患者さんご自身が過去にそのような施術を受けたことがあり、その後に痛い経験をしたという方や、怖くてそもそもそのテクニックで施術を受けたくない方もいらっしゃるので、当院では矯正をする際にも事前にどのような方法が良いか、もしくは苦手ではないかを確認しながら施術を進めさせていただいています(そもそも未経験の方は骨盤など首から遠い場所に一度矯正をさせていただき、その反応を確認してもらっています)。


この関節の音は、湯船に空気の入った風呂桶を沈めてひっくり返し、水面に空気が放出されるときのものに近いです。


この「ボキッ」という音は関節内の「窒素ガス」が弾ける音だということが分かっており、動きの悪い関節が動いた証拠だとも言われています。





5.ACカイロの施術について

当院のカイロプラクティックの施術を担当するカイロプラクターは、全員海外でWHOのガイドラインに記載されている教育基準である、4200時間の専門教育を4~5年をかけて受けてきました。


2019年11月の時点でこの教育基準・認定試験をクリアしたものは日本カイロプラクティック登録機構(JCR)に全国で561名登録されています。JCR登録者名簿は年二回厚生労働省へ提出され、名簿は保管されています。


当院は中目黒で開業をしてから2022年で11年目となります。臨床経験が豊富な施術スタッフが対応させていただき、施術に入る前には、お話と検査から分かった患者様のお体の症状を分かりやすくご説明するようにしています。


その理由は現状を把握することで、今後の施術の経過や反応がよりスムーズに進むことを目的にしているためです。


大まかな施術の内容は、どの場所にアプローチするのかはもちろん個人差があるものの、筋肉の問題(硬い過ぎる、柔らか過ぎる、怪我などをしている)、関節の問題(キレイに動いていない、動きが大き過ぎる、周りの靭帯や関節包硬さや怪我など)を個々に施術を加えて全体的な体のバランスを整えて行きます。



1.筋肉の問題

筋肉の硬さには緩めるような操作を行い、柔らか過ぎる場合にはトレーニングのような使わせる刺激を入れ、怪我にはアイシングや負担軽減を目的としたテーピングなどの処置を行うことがあります。


2.関節の問題

関節の動きを整えるために手または器具による矯正(ボキッとなるものとそうでないものをお選びいただけます。)動きが大き過ぎる場合は、その場所に負担をかけていると思われる部位への施術(場合によってはテーピングなどの固定)、その他の周りの組織の問題はアイシングや固定、タイミングを見て動きをつけて行く施術に移行します。



また治療院の名前でもあるACはActive Careの略で、これは患者様ご自身がより積極的に自分のお体に関わる(普段のお体の使い方やリハビリや運動を取り入れる)ことをお勧めしております。


その1番の理由はご自身で自分のお体の状態をより良い方向へコントロールすることが可能になるからです。これは正しく当院のコンセプトである「自分のカラダは自分で治す」に準ずるものです。


そのため施術の最後には、その日からご自身で行える、簡単なエクササイズなどをお伝えして、早期の改善と状態の安定(予防)を目指してます。


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