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鍼(はり)治療とは? 鍼灸と美容鍼灸の基本を解説します

更新日:2021年6月11日



一般的に、「鍼(はり)治療」とは、身体の特定の点を刺激するために専用の鍼や灸を用いた治療法のことをいいます。 鍼灸といえば「頭痛、肩こりに効く」「東洋医学」というイメージにとどまる方が多いのではないでしょうか?


しかし、最近では厚生労働省発足のプロジェクトチームで西洋医学だけで対処できない現代のさまざまな疾患に対して鍼灸治療も取り入れた医療の促進を進めていくようになりました。


本記事では、中国、日本だけでなくアメリカ、ヨーロッパの医療現場での普及・活用が進んでいる鍼についてご紹介いたします。



1.鍼とは?

鍼術は、古代中国に発生した治療技術です。初めのうちは、薄くとがった石の先端で腫れ物やできものなどを突いたり切ったりしていましたが、次第に動物の骨や陶器の破片などを利用した鍼が使用されるようになりました。


技術の進歩とともに金属製の鍼が使われるようになり、経絡や臓腑、陰陽などの考えと結びついて鍼治療が確立されていきました。


東洋医学の考え方の1つに「気の思想」があります。この思想が、後に経絡(けいらく)という考え方に発展していきます。人体には気(体内を流れるエネルギーのことで元気や気力の「気」)の通り路があるとされています。


その路には気が溜まりやすい、あるいは気が漏れやすい、反応が出やすいツボ(経穴)があることが分かりました。経絡は、五臓六腑といわれる体の内部の臓腑器官と、体の外部である皮膚に結びついていて、内臓の異常が体表の変化として表れ、特にツボ(経穴)に敏感に表れます。


例えば、胃の調子が悪いと背中が張ってくることを経験した皆さんもいらっしゃるかもしれません。このような反応の出ているツボを刺激することで、内臓の異常を調整できるという重要な発見がありました。この成果を今に伝える書物が、中国医学の現存する最古の文献 「黄帝内経(こうていだいけい)」 です。


中国で完成された鍼術は6世紀ごろ日本にもたらされ、日本の風土、文化と融合しながら独自に発展していきます。特に大きな変革があったのは江戸時代で、鍼管という管の中に鍼を入れて打ち込む管鍼法という方法が発案されました。


皮膚を刺す痛みが少なく初心者でも鍼を刺せることから、この方法が普及し、現在でも主流となっています。


また日本の優れた技術力によって、患者さまへの負担が少ない髪の毛程度の細い鍼が作られるようになりました。


こうして、日本人の体質や特性にあわせて改良を重ね、世界でも例を見ない日本独自の繊細な鍼術へと発展していきました。



2.東洋医学と西洋医学の違い

西洋医学は投薬や手術といった方法で、体の悪い部分に直接アプローチして治療していきます。これに対して東洋医学というのは体の不調を内側からより全体的に治す治療法です。


簡単に言うと、両者の違いは「体の治し方」にあります。


工場の機械が故障したことを例に違いを比較してみましょう。西洋医学では機械が故障して止まった場合、故障した原因を突き止めて修理をします。


確認の結果、ネジが外れてしまったことが原因だと特定し、ネジをまたはめ直して、工場が動き出したら修理完了です。


西洋医学の場合は、ネジをはめて動き出せば治ったという判断をすることになるのです。


東洋医学の場合はなぜそのネジが外れたのかを考えます。ネジは機械全体の振動が大きくて、その影響で外れた可能性があるとします。


そうなると、またネジをはめてもまた外れてしまう恐れがあります。よって振動を抑えることを考えます。


東洋医学では、機械を安定化させて、振動を抑えることにより、ネジが外れにくくなることで修理が完了(治った)と考えます。


別の言葉で言い換えれば、即効性を求めて対処するのか、原因まで追究していくのかの「考え方の違い」がポイントです。


どちらにも利点がありますので、ご自身のライフスタイルや症状に合わせて選んでいくことが大切です。


また東洋医学では

『四診(ししん)』: 望診・聞診・問診・切診の4つで構成され、この『四診』を行うことで患者さんの現在の状態を判断し、治療を決定します。以下、四診を1つずつ解説していきます。


1.望診(ぼうしん)

望診は視覚による患者さんからの情報収集のことをいいます。

例えば、動作や歩き方、顔色や表情、皮膚や爪、頭髪、唇などを観察します。

中でも舌を診る舌診が重要で、舌の色調や形、舌の表面につく苔を観察します。


2.聞診(ぶんしん)

聞診は聴覚と嗅覚からの情報収集です。現代医学での聴診も聞診に含まれます。

発語が明瞭か、応答がスムーズかなど言語・音声から情報を得たり、咳や呼吸音、腸の蠕動音などを聴診することで状態を把握します。


3.問診(もんしん)

問診は現代医学のものと同様、患者さんから症状や経過を聴取することですが、東洋医学における問診は患者さんの生きた言葉を上手に引き出して診療録にもなるべくそのままの言葉を記載することが重要とされています。


4.切診(せっしん)

切診は患者さんの体に直接触れる診察で、脈診と腹診の他手足や背中の触診を行うこともあります。

脈診は現代医学的な脈拍や不整脈の有無を調べるだけでなく、脈の強さや幅などもみて、今の体の状態を判断します。

腹診はお腹の力やお腹の張り、押して痛いところがないか、動悸が触れるか、腹筋の緊張などをみます。

現代医学のお腹の診察は膝を曲げた状態で行うのが一般的ですが、東洋医学では膝を伸ばした状態で行うのが特徴です。



3.未病という考え方

皆さまは「未病(みびょう)」という言葉をお聞きになったことがありますでしょうか?


未病とは、古くから東洋医学にある中国の言葉で「未だ病にならざる」つまり、病気の一歩手前、病気になる前の状態のことを言います。


健康である状態と病気の状態との間には、"病気にはなっていないが健康ではない状態"、"病気ではないが、病気に向かっている状態"などの微妙な状態がありますが、このような状態を東洋医学では「未病」と表現しています。


そして、東洋医学が最も得意とするのが、病気になる前の治療なのです。これからは未病を治す、あるいは、未病を防ぐ時代であると考えています。



4.鍼の種類

現在日本で主に使われている鍼の材料は、ステンレス、金、銀があります。

それぞれに特徴があり、使い分けられています。


日本各地の鍼灸院で使用されているもっともスタンダードな素材がステンレスの鍼です。耐久性に優れており、刺入しやすく折れにくい素材です。
高圧滅菌や通電にも耐えられるため、治療の幅が広がります。


当院では、製造工場で滅菌された「使い捨て(ディスポーザブル)ステンレス鍼灸針」を用いており、針を繰り返して使用することはありません。使い捨ての鍼灸針は、一回使用ごとに廃棄しているので、感染の心配も一切ありません。


そして鍼の中でも1番細い、長さ15mm太さ0.1mmの針を使っています。髪の毛と同じように細く、痛みを極限に減らしています。



5.美容鍼の効能とは?

鍼灸は、古くから身体の様々な不調の調整や、けがのケア、また病気の予防などに用いられてきました。その鍼灸の施術を美容の分野に応用したものが美容鍼灸です。


直後の効果として、下記のような項目が挙げられます。

  • むくみが整えられてフェイスラインがシャープになる

  • リフトアップしてほうれい線が目立たなくなる

  • お肌に潤いが出る、目の開きがよくなりパッチリとした印象の目になる

  • 目のピント調整機能が調整されて視界が開ける

事後の効果としては、下記のような項目が期待できます。

  • 肌質の調整や肌のモチモチ感向上

  • 化粧のノリがよくなる


*美容鍼灸では上記のように様々な効果が期待できますが、これらの効果はその方のお身体の状態により個人差がございます。



6.AC美容鍼灸院の美容鍼について

AC美容鍼灸院では、東洋医学的に四診から身体の状態を見ていきます。


お顔だけでなく体全体の状態が今どうなっているのかを診ていき、身体のツボを使って根本的な治療をしていきます。主にお顔の表情筋や咬筋を鍼で刺激し、凝りを解消して血流をよくしていきます。緩んで下がってきてしまっている筋肉には鍼で刺激を与えることにより活性化させ、筋肉が元にあった位置に戻るように促していきます。


また、効果を長く保つことを狙い、お顔に加えて首や肩への施術を同時に行って行きます。多くの方が首や肩にこりをお持ちですが、そのこりを緩めることでお顔への血流が増えて美容の効果を高めることが期待できます。


さらには首のラインが美しい曲線になり、顎のラインと首との境界がハッキリすることによって小顔につながります。


ちなみに、鍼をするとお顔全体に行渡る血液量が増えるため、お肌自体が自ら潤いを出してくれるようになるので、乾燥の改善も期待できます。


お客様の事を第一に考え暖かくお迎えし、最大限にリラックスして頂ける環境を作っています。


AC美容鍼灸院での施術を通して、お客様の悩みがいち早く改善されるように精進して参ります。



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